思いを繋ぐピアノ

子育てのいい話
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今回の記事は、子供にまつわるお話ではありますが、いつもの子育てブログからは少し離れた内容になります。

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運命のピアノとの出会い

今からちょうど8年前のお話です。

我が家の長男は、4歳からピアノを習っているのですが、習い始め当初は「続くかどうかわからない。すぐにやめてしまうかもしれない」という不安があり、すぐにピアノを購入せず、キーボードで練習をしていました。

ただ、幸いなことに長男はピアノが大好きになり、熱心に練習もしていたので、小学校に入学するタイミングで本物のピアノを購入することにしました。

そんな矢先、「友達がピアノを手放す予定だから買う気はないか?」と、伯母から話があり、その友人のお宅にお邪魔しました。
そこで目にしたのは、まだ新しくとても美しい木目のアップライトピアノでした。

聞けば、まだ5年程しか使っていないとか。

そのお宅には当時、小学生と中学生の息子さんがいらっしゃったのですが、中学生のお兄ちゃんがピアノをやめてしまい、小学生の弟は習う予定がないので、もう必要なくなってしまったとのこと。

使わないのに置いておくのは邪魔になるから、誰か使ってくれる人に譲りたいと、驚くほど格安のお値段を提示してくれたのです。

探し始めた矢先にこんな良い話が舞い込んでくるのは運命だと思い、購入を決めました。

ピアノを譲ってくれたお宅のお兄ちゃんは、長髪で線の細い、素敵な美少年だったことを記憶しています。

突然の悲しい知らせ

こうして、我が家にやってきた木目のアップライトピアノ。この日から、長男はとても嬉しそうに楽しそうに、ピアノを奏でる日々が続きました。

そして、ピアノを譲り受けた一年半後の夏のある日

我が家にピアノを譲ってくれた美少年のお兄ちゃんは、学校帰り交通事故にあい、帰らぬ人となりました。まだ高校生になったばかりだというのに…。

伯母から亡くなったという事実と「ピアノ、形見になっちゃったから大切にしてあげてね」という言葉を聞き、ピアノを譲り受けた時に、たった一度しか会ってないけれど、同じ男の子を持つ母親として、大切な我が子を失う悲しみは計り知れないと感じ、とにかく私たちに出来ることは、彼の冥福を祈ることと、譲り受けたピアノを大切に使っていくことだと思ったのです。

それ以来、毎日大切に大切に使ってきたピアノは、我が家に音楽という彩りを与えてくれました。

ピアノの買い替えを考えるとき

それから歳月が流れ、我が家の長男は中学生になりました。

4歳で始めたピアノは、ずっと大好きで、コンクールなどに出るわけでも、将来音楽家を目指すわけでもありませんが、趣味として弾き続けています。

だんだんと弾ける曲のレベルもアップしてくると師事している先生からは「アップライトピアノでは限界です。そろそろグランドピアノを買ってあげてください」と言われるようになってきました。

長男からも「グランドピアノが欲しい」という言葉が出てくるようになってきて、私は悩みました。

長男は将来の夢があり、音楽家や演奏家を目指すわけではないし、音大に通うつもりもないのです。ピアノはあくまでも趣味

ただの趣味であれば、アップライトピアノで充分では?ただの趣味に200~300万もするグランドピアノは贅沢では?

けれど、長男はとにかくピアノが大好きで毎日楽しそうにピアノを奏でている。

たとえ趣味であっても、一生のものになるのであれば、親ができることはやってあげたい。グランドピアノに買い替えることで更に音楽の楽しさが広がるのであれば………

そう思い、迷った末にグランドピアノの購入を決めたのです。

運命のピアノとの別れ

グランドピアノを買うと決めたとき、アップライトピアノも手元に残しておきたいと強く思いました。

だって、亡くなった少年の形見というだけではなく、私たち親子にとっても8年間の思い出が詰まった大切なピアノになっていたから。

毎日、毎日、長男が奏でる音楽を聴くのが幸せな時間だった私にとっては、手離したくない大切なピアノ。

でも、ごく普通の平凡な家庭の我が家には、アップライトピアノとグランドピアノを2台並べて置くような場所は確保できません。

泣く泣く、手放すことを決めました。

ピアノが繋ぐ不思議な縁

そうして、グランドピアノを購入し、アップライトピアノは手放すことになった我が家。

伯母を通じて、ピアノを手放すことと、今まで大切に使ってきたこと、譲ってもらって本当に感謝していることを、ピアノを譲ってくれたご友人に伝えてもらいました。

すると…

私たちが手放すことを決めたその頃、亡くなった息子さんが夢に出てきて久しぶりにピアノを弾いてくれたそうです。

奏でたのは、千と千尋の神隠し「あの夏へ」

【ピアノ】あの夏へ-ジブリ「千と千尋の神隠し」/Ghibli Spirited Away/久石譲/弾いてみた/Piano/CANACANA

久しぶりのピアノの優しい音色に、号泣して目が覚めたら、ピアノを手放す知らせが届いた。なんだか不思議だねって、叔母と語り合ったようです。

そして、ピアノを手放す前日に、長男に「いちばん好きな曲を弾いて」とお願いし、演奏を動画におさめました。大切なピアノを形として残しておきたかったから。そしてその動画を、叔母がご友人にシェアして見せてくれたのですが………

「これ、お兄ちゃんが大好きな曲だったよ」って。泣いてしまって最後まで観れなかったって。

長男が弾いたのはB’zの「いつかのメリークリスマス」

※プライバシーの観点から、本人の演奏動画は掲載しておりませんのでご了承下さい

いつかのメリークリスマス ピアノ B’z

我が子に先立たれる悲しみは、想像しただけで胸が張り裂けそうになるし、そのご友人の悲しみは歳月がたって和らぐことはあっても、決して消えることはないのだろう…と思います。

どんなに辛く悲しい日々を過ごしてきたことか。

でも、悲しみが続くとともに、一緒に過ごした楽しい思い出も決して消えることはないだろうし、彼が心に残してくれた音楽も、消えないと信じたい。

私たちも、ピアノは手放してしまったけれど、8年間奏でた音楽はずっと心に残しておきたいと願っている。

彼が夢で奏でた「あの夏へ」、いま長男も弾いています。

彼が大好きだったという「いつかのメリークリスマス」、長男はこれからも弾き続けます。

2人は交わることはなかったけれど、一台のピアノが縁を繋いでくれて、音楽が形として残っていく。

とても不思議な、そして大切な体験をさせて貰うことができました。

これからは新たにやってきたグランドピアノが、我が家に大切な思い出を積み上げていってくれることでしょう。

子供の成長とともに。

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